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一人暮らしをはじめると、最初はね、自炊にもワクワクしたりするもんなんですよ。とりあえず肉じゃが作ってみるのはお約束？肉じゃがって、今や『家事慣れした人が作るオフクロの味』っつーより、『初心者がとりあえず作ってみたい料理』な位置にいる気がします。
肉じゃがはもちろん、私も最初はやりましたよ色々と。調味料や香辛料を揃えて、エビチリ作ったりもしましたよ。最初は。間もなく作らなくなるんですけどね。いや、私の場合、一人暮らしを始めてすぐに『会社で出前を食べる生活（帰れない）』に突入したという事情もあるっちゃあるんだけど、でも続かないよね、初期の情熱は。そして忘れ去られる調味料の数々。気が付くと数年経ってたりする。怖い。しかもかさ張るんだよ調味料。
そう、調味料ひとつとってもそうなんだけど、一人暮らしの自炊って、お得サイズがお得じゃなかったりするんだよ、使い切れなくて。いや、マメに色々工夫を凝らせる人はそれなりにしているんだろうけど、私は『量との戦い』に苦戦しました。だってキャベツ１玉買ったら１週間キャベツ食べなきゃいけないんでしょ？じゃー半分でいいよね？つーか、千切り売ってるからこれでよくない？だったらお弁当買った方が早くない？そもそも安くあげるならパン齧る方が安いよね？とか、どんどん遠ざかる自炊生活。いや、分かってる。私は日常家事としての炊事能力はないんだよ。毎日ゴハン作る人は偉いなぁ。余談ですけど、キャベツの消費にはお好み焼きを推薦します。あとは鍋だな、ポトフとか。
そんなわけで日常の家事を諦めた頃、時々思い出したように作っていたのは『野菜スープ』でした。とにかく材料全部使って週末に鍋ひとつ作る。で、土日毎食と月曜持ちこしくらいのスパンでひたすら食べる仕様。年に数回、「野菜が足らない！」と感じたときの自己救済メニューでもあったんだけど、食材が限られてるので（根野菜は日持ちするしね）１品料理を色々作るのと違って、『残りの食材をいかに消費するか』という日々の悩みが発生しない点が良かったんですね。短期集中型自炊、しかも秋から春先の期間限定（夏は傷みの早さとＧ出没を考慮して自炊禁止）。これが第二期自炊状況といえよう。
じゃー第三期は何よ。って話になるんですけど。本格的自炊から遠ざかったのち、それでも『今日はおうちでまったりな気分だわー』みたいな時、ちょこっと冷凍うどんとか素麺を茹でたり、もっと極端な話、卵かけゴハンとか食べたりすることはあったんですよ。で、「それでいーんじゃないの、一人暮らしの自炊って」、ということに、なんとなく気が付きました。なんていうか、食べたい１食を、無駄なく完結できればいいんだなー、と。１週間スープとは対極の発想とも言えるんだけど、そう、スープでもさ、『ここでまとめて作れば後日も楽』（発想がセコイ）とかじゃなくて、その日食べる分だけ作ってもいいんだよねー、と。
なので、第三期はですね、『なるべく手間隙材料を使わない』がテーマですね。食材もなるべくバラの小口売り、調味料は一番小さいやつを選ぶようになりました。作る際の具体的なとこでは『煮るより焼く』、これだな。フライパン１個でさくっと１食。モヤシ大活躍（安いし）。あと、煮る関係だと、『材料は、少なく細かく』が信条になりました。細かいと火の通りが早くてすぐできるし、「しまった量多すぎ」も回避しやすいの。うん、ついつい量作りたくなるんだ煮る系は。あと注意点としてはですね、オリジナル手抜き料理に走り勝ちなので、とても他人様にお出しする勇気はねーよ、というところです。うん、花嫁修業とかとは別の話なんじゃないかな。どっちかっつーと、単身赴任中のおとーさんの一人料理とかに近づいている気がするのは気のせいかしら。
凝ったものを色々作るのも楽しいんだけどね。でも、そんなに気負わなくても楽しめるもんじゃないかなーと思います。自炊って、一人でいる分には絶対しなきゃいけないものでもないと思うんで、やらなきゃやらないでいいと思うし。でも、作りたてのゴハンって美味しいんだよね。作る楽しみと別に「自宅でまったり食べる楽しみ」っつーのも、それ自体が結構シアワセだったりするしね。卵かけゴハンの幸せに勝手に浸れるのも一人暮らしゴハンならではの醍醐味だと思います、そこまで自炊に含めていいかは置いといて。2007/01
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